リレーエッセイvol.10  『進歩』  鹿野圭生
 
       私が女流棋士になって2年目に「女流棋士15周年パーティー」が
      盛大に催されました。当時、こういったパーティーを開催するのは
      初めての事で、とても大変な苦労があったと思いますが、新参者で、
      尚かつ地方在住の私は、何も手伝う事ができず、ただそのパーティー
      に参加させて頂いただけでした。しかも、その会の間、ずっと、知ら
      ない人達に混じって、話をするわけでもなく黙って時間が過ぎるのを
      待っていました。若かったんでしょうねェ。
       ・・・あれから15年。着実に女流棋士は進歩を続け、5年毎に、
      大きなパーティーを開いては、成功を遂げています。私?私ですか。
      その間、新参者だった私も、先輩よりは後輩が多くなり、中堅どころ
      かベテランという状況におかれるようになりました。
       30周年のパーティーでは黙っている時間の方が少なく、高橋二段
      と2人で詰将棋コーナーの進行役まで、やってしまいました。
       この15年間、知らない人、大勢の人、の前で話ができるようになっ
      た事は、(もちろん努力したんですけど)自分にとって大きな進歩だと
      思いますが、さて、本業の将棋の方はと考えると、どれほど進歩した
      のやら、首をかしげるばかりです。