リレーエッセイvol.4  『功労賞!応援するという努力』  山田久美
 
    喜怒哀楽。私の父は、私の知る限り「怒」の顔を見せたことがありませんでした。
   父に、というよりも、両親から叱責されたという記憶がないのです。私が特別「い
   い子ちゃん」であったわけではもちろんなく、カッコイイ言い方をすれば『怒るよ
   りも諭す』という両親の性格が、そのまま教育方針になったのかもしれません。
    何歳の頃かはっきりと思い出せませんが小学生低学年の頃だったでしょうか、
   父から『人を喜ばせたり笑わせることは大変だけれど、人を怒らせたり傷つける
   のはとても簡単にできること。書いたものは消しゴムで消せるけれど、言葉で言
   ったことは消すことができないから、気をつけて喋りなさい』というような事を言わ
   れたことがありました。
    子供ながらにとても感心しましたが、元来、相手の喜・怒の狭間で際どいジョー
   クを言ってしまう私のことだから、果たしてどれほど実行できているかどうか。
   
    先日、女流棋士発足30周年パーティーを開催し、1200名を越すファンの方々
   にお越しいただきました。この場をお借りしてファンの皆様方、関係者の方々に
   御礼申し上げます。
    歴年の親睦会でも、開催当日まで実行委員の心配事は尽きないのですが、
   節目となった本年の実行委員は、規模の拡大ということもあり更にハードなスケ
   ジュールに追われました。
    さかのぼって、初の15周年パーティーの時は600名のお客様にご来場いただき、
   歓喜の声を上げたものですが、この集客は諸先輩方の15年の努力が呼んだもの
   で、1年2年で作り上げられたものではない、と、改めて先輩方に感謝。
    そういった意味で、本年の30周年パーティーでは実行委員の努力はもちろんの
   こと、歴年の親睦会実行委員や、個々の女流棋士が作り上げてきたお客様との
   交流が、1200名という集客につながったものと思っています。
    そして何よりも、誰よりも功労者と称えなければならないのは、一人々々のファ
   ンの皆様であり、長年に亘り女流棋士を愛し、応援して下さる皆様の努力ではな
   いでしょうか。
   
    最後に、イベントや将棋大会などで、山田久美を呼んで頂いた時。
   「あ〜楽しかった」と感じて頂く事ができたならリピートが。
   「なんか感じ悪かったな」と思われたら二度と呼んでもらえないでしょう。
   『喜んで』『楽しんで』下さったならば感謝と御礼を。
   『怒って』『哀れんで』しまったならば深謝と反省を。
    応援、という努力をして下さるファンの方々に飽きられないよう、常に一新。
    そういった気持ちを持って、今後も皆様と交流をして行きたいと思います。