私と将棋北尾まどか
「勝負命!!」北尾まどか
 
 勝負事が何より好き。 
あらゆるゲームや競技で戦うのが好き。勝って一番になるのが好き。 
生活の中でも、「勝った」「負けた」と感じることが多く、細かいことで
もいちいち白黒つけたがる。とにかく戦い好きな女なのだ。
 【勝つ喜び=最上の幸せ】という性格は一般社会だといろいろ問題
がでてきそうだけれども、ここは実力がモノを言うところ。戦う者達は
成績によってランク付けられ、勝ち抜けば栄光の座がまっている。
将棋盤の上に実力以外は介入しない。なんと分かりやすく、なんと
自分にあった世界だろうか。 
  
 また、勝負は抜きに考えて、ゲーム好きでもある。対戦ゲームは
「勝負」としてもちろん好きだけれど、ひとりでやるパズル系も大好き。
はまりだしたらずーっとそれしか見えなくなる。将棋を始めた頃は、
一日のうち大半を詰将棋に費やしていた。凝り性な面も将棋には良
かったのだろう。将棋はいつまで考えても終わりが見えない。きっと
今、私が知っていることなんて氷山の一角のそのまた一部分だろう。
一生かかったって制覇できないすばらしきゲームだ。 
 
 将棋を覚えたあとに、ビリヤード、バックギャモン等のゲームにはま
ったが、どれもこれも将棋の深さには及ばない。 
 将棋に運の要素はなく、実力が全ての厳しい競技だ。 
負けになったとき、最期は「負けました」と自ら頭を下げなくてはなら
ない。囲碁なら「○目差でしたね」と少し慰められるが、将棋は王将
を取られたらそれまで。途中の努力は全て水泡に帰す。 
 
 オールオアナッシング。それが将棋の醍醐味だと思う。 
 負ける方は悔しくてたまらないが、勝ったときの気分の良さは格別
である。将棋以上に嬉しい勝ち方のできるゲームはない。 
 その幸せを味わうために、私は今日も将棋を指す。