私と将棋上田初美
「得たものと失ったもの」上田初美
 
「将棋とはどんな存在ですか?」
この様な質問はよくあるが、とても難しい質問だと思う。
 
私が将棋を始めたのは5歳の時。
つまり私は記憶のある限りでずっと将棋と一緒に暮らしてきた訳だ。
 
以前「早く女流棋士になれるだけ得なんじゃない?」と聞かれた事がある。
私は「そうでもない。」と答えた。
もちろん、客観的に見ればそうなのかもしれない。
だがその頃は「将棋があったせいで…」という棋士としてあるまじき考えが
頭から離れず、集中できない日々が続いていたのだ。
 
ところが最近、ある人に「頑張らなきゃ駄目だよ?」と言われ、「あ!頑張
らないといけないんだ!」と唐突に気付いた。
そしてその人と指した将棋は本当に面白かった。
昔、ただひたすら楽しく将棋を指していた自分を思い出した。
 
結局、私は将棋によって失ったものもあったが、色々なものを得たし、何よ
り沢山の人と出会えた。
この先、将棋に携わっていく上で、辛いと思う事もあるだろう。
でも私はこれからも私らしく、悩んで迷って、楽しく将棋を指していきたい。
 
最後に私にとって「将棋とはどんな存在か?」を答えると
…「居場所」……ですかね?(笑)